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「部落差別」条例に抵抗した兵庫県

鳥取県の全ての自治体が「部落差別」条例で埋め尽くされてしまった頃、隣の兵庫県でも部落差別撤廃のための条例を制定する運動が進められていましたが、兵庫県はこれに抵抗しました。1995年5月12日、兵庫県地域改善局が、兵庫県黒田庄町(今年10月1日に西脇市と合併)で制定が進められていた「部落差別撤廃とあらゆる差別をなくする条例」についての問題点をまとめた文書を出しています。非常に興味深い資料ですので全文掲載します。

なお、部落差別撤廃とあらゆる差別をなくする条例の原案も参照してください。

「部落差別撤廃とあらゆる差別をなくする条例」の問題点等について

第一 全体

一般的に条例の制定に当たっては、(1)目的の把握(2)現状の分析(3)効果の検討(4)体系上の検討の点に留意する必要がある。
黒田庄町の条例は、この点につき「町民一人ひとりの参加による人権を尊ぶ町づくりと、明るい地域社会の実現に寄与すること」を目的として制定するものであるが、その目的を実現するために、条例制定以外に方法がないか否かを慎重に検討する必要がある。
まず、部落差別を含めて他の差別についても多くの課題が残っていると言う前提に立っているが、その課題を解決するために、果たして対象地域や対象者の固定化という危険を犯してまで、特別対策としての条例を制定する必要があるのか疑問である。在日外国人、障害者、女性については一般対策でも実施しており、特別対策として実施するだけの理由が見出せない。
また、目的を実現するための施策が、部落差別だけでなく、あらゆる差別にまたがっているため、差別(定義が明らかではないが)を前提とした施策は、非常に広範囲のものとなり、町は大きな財政負担を強いられることが予想される。それに、これらの施策の中には、町独自の権能では実施しえず、国及び県の協力が必要なものがかなり含まれているため、今の状況では、町独自の条例を制定してもその効果については、はなはだ疑わしいと言わざるを得ない。結局、人権意識の高揚を図るための啓発活動が中心となってくることが予想されるが、これについては、敢えて条例を制定してまで実施する必要性があるのか疑問が残る。むしろ、人の心の問題を、条例で規定しても実質的な効果は上がらないと考えられるため、条例制定の意義は薄い。

第二 逐条
1 名称
(1) 「あらゆる差別」といった抽象的、包括的な名称は、一般的には使用しない。
(2) 差別の定義が明らかでない中で、条例を制定することに無理がある。
(3) 部落ということによって、法失効後も対象地域及び住民を固定化させてしまう。
(4) 「部落差別撤廃とあらゆる差別をなくする」というのは、日本語になっていない。
2 前文
(1) 同和対策事業を推進してきたのは、国と地方公共団体であって、住民(町民)ではない。住民は事業の推進に協力してきたものである。(同対法第3条、地対法第2条第3項)
(2) 環境改善などを中心に大きな成果を上げてきたのなら、今後特別対策として実施するだけの必要性はないと考えられる。
(3) 多くの課題が残されているとは言うが、具体的にどのようなものが残っているのか疑問である。
(4) 啓発事業の推進等のソフト面以外にも、ハード面での課題が残されているのか疑問がある。県としては、法失効後は少なくともハード面での課題はないと考えている。
(5) 差別のない明るい地域社会の実現とは、いかなる状態を意味するものであるのか不明である。これにより、条例は恒久のものとして残ってくる恐れがある。

3 第1条(目的)
(1) 「部落差別」と「あらゆる差別」の関係が不明である。
(2) 根本的に差別をなくすということの、意味が不明である。
(3) 差別の定義が明らかでない中で、町民一人ひとりの参加による人権を尊ぶ町づくりは不可能と考えられる。

4 第2条(町の責務)
(1) 「必要な施策」が明らかにされていないため、目的達成のためには、町はあらゆる施策を講じる責務が生じる恐れがある。
(2) 「必要な施策」を推進することにより、新たな組織、これによる人員増等が予想されるが、これに対して町が新たに財政措置を講じる必要が生じる。

5 第3条(町民の責務)
(1) 「差別」についての明確な規定がなく、しかも「差別」かどうかを具体的に判断する機関(者)が不明な中で、町民にあらゆる差別をなくするための施策への協力を求めることはできない。
(2) 人権意識の高揚に努めることは、町民の主体性において行われるべきものであって、条例で努力義務を課するのは適当でない。

6 第4条(施策の推進)
(1) 何の目的を達成するのか不明である。
(2) これまでの同和対策の経過の中で、特別対策を真に必要なものに限定してきたにもかかわらず、生活環境の改善、社会福祉の充実、教育文化の向上及び人権擁護等の施策を網羅的に特別対策として実施することの必要性があるのか疑問がある。また、これにより新たな財政措置が必要になってくる。
(3) 第2条の必要な施策を具体化したものが、第4条になっているのか疑問がある。

7 第5条(実態調査)
(1) 地域改善対策事業は25年間実施してきており、同町においても着実に進展がみられる。かかる状況下で、今後とも調査する地域の特別な事情があるのかどうか疑問がある。
(2) 部落差別以外のあらゆる差別についても調査することになるが、果たしていかなる調査が実施できるのか。また、その結果を踏まえて町としてどのような施策を講じることができるのか疑問である、
(3) 調査対象者を特定する必要があるため、調査することによって、かえって人権侵害を生じさせかねない。

8 第6条(啓発活動)
(1) きめ細かな啓発活動事業の取り組みは、現在でも啓発委託費、補助金等を通じて実施しており、これ以上の取り組みが必要なのか疑問である。
(2) 「差別を許さない」という文言は、県では昭和46年から52年まで使用していたが、昭和53年以降は使用していない。これは、同和問題を許すとか許さないとかの対立的な考え方でとらえるのではなく、県民が一体となって努力していくことを目ざすという考えに立ったものであり、現在は「差別をなくそう」という文言をしようしている。
(3) 差別を許さない社会的環境の世論づくりを促進するということの意味が不明である。

9 第7条(推進体制)
(1) 条例の制定に国及び県が反対している状況で、町との連携を強めることはできない。
(2) 人権関係団体等とは、いかなる団体を意味するのか疑問である。また、このような団体と連携を強めることによりいかなるメリットがあるのかも疑問である。

10 第8条(審議会)
(1) 審議会を設置する以上、明確な目的、必要性がいるが、差別の定義が明らかにされていない状況では、設置そのものに疑問がある。
(2) 敢えて審議会を設置しなくても、現実には議会等の中で審議がされているものと考える。

結局兵庫県の自治体では「部落差別」条例が作られることはありませんでした。兵庫県は1974年に八鹿高校事件という部落解放団体にからむ大規模な暴力事件を経験しており、部落解放という大義名分だけで特定団体と行政が癒着すれば、深刻な事態を引き起こすということを住民も行政もよく認識していたと思います。
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大宰府▲条例−−明日委員会で採決

明日9日、午前10時より太宰府市議会環境厚生委員会で男女共同参画条例が採決されます。 かなり推進派がロビー活動で説得して回ってるようで危ない状況です。このままでは本当に通っ

  • 2005/12/08(木) 19:20:30 |
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